環境

〜 狭い空間での充実 〜
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RAになっていちばん困ったのは、
やはり身の回りのことができなくなったこと。
物が取れない、持てない、使えない、着られない、履けない…
このままでは、何もかも手を貸してくれる家族の負担になってしまう。
とにかく少しでも自分でできるように変えていくしかない。

そんなわけで、自分で扱えなくなったものを整理して。。。
思い切って軽くて扱いやすいものに変えて。。。大改革が始まりました。
髪を切って手入れを簡単に。洋服や靴も体裁構わず着やすい物を選んで。
部屋もシンプルに掃除しやすく。買い物も近場で済ませるように。
それでもできないことは、必要最低限にしぼって家族にお願いすることに。

まるで老後の身辺整理に近い状態だったけれど。。。
いざ自分の手で管理できるくらい生活が快適になってみると、
身軽でとても気持ちが楽になりました♪
人に頼まなくても済むようになったことでストレスも減ったし、
あれほど執着していた趣味も、こだわっていたライフスタイルも、
ないならないで暮らせるもんだと思い知ることに。

体の変化とともに、生活を変えなければならないことはよくあります。
そんな生活ありえない”“これがないと私じゃなくなる”と思っていたことも、
いざ、変えてみると、思っていたほどの影響はなかったりします。
こだわりや執着も実は本当に小さなことなのだと思い知りました。
狭いなりの楽しみ方、できないならそれなりの暮らし方があるとわかった今、
変えることに対して、それほど躊躇を感じなくなってます。
人って変われるものだなぁと、こうなってみて思うのです。


もちろん、私のような狭い世界を飛び出して、
広い世界を飛び回るパワフルな障害者の方もたくさんいます。
私は…今あるこの狭い環境の中でできることをたくさんしていきたい
与えられた環境に順応して、必要なところには手を借りながら、
身の丈に合った暮らし方を探していこうと思ってます。




〜 家族の支え 〜
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病気になって間もなく、私は日常の些細なことさえ、
人の手助けなしで暮らすことができなくなりました
自転車や車の運転、バスの乗降、戸の開け閉め、階段の上がり降り、
衣服の着脱、スイッチの切り替え、キャップの開け閉め、箸使い、
部屋間の移動、立ち座り、そして、寝起き…
当たり前がどんどん当たり前じゃなくなっていく。。。

そんな時、何より大きな救いとなったのは、
家族がありのままの姿を認めてくれたこと。
できないことを「なぜ?」と問い詰めるのではなく、
できることに目を向けてサポートしてくれたことに、とても感謝しています。
一見簡単なことのようですが、実際は並大抵のことではありません。
毎朝起きるたび、(症状が変わって)娘が別人同然の状態なのですから。
やってもやっても追いつかない…そんなやりきれなさ、感じていたと思います。

家族を巻き込んでしまって申し訳ない思いはあります。
こうなってしまった自分にできることは、
少しでも家族の負担が減るよう、自分自身が変わろうと努力することだけでした。
1つずつバリアを外し、1つずつ新しい可能性を探す
いつまでもしょげている暇はありません。

取り払ってもなお、次のバリアが出現する…それが私のリウマチ。
それでもやるしかない。
何度も挫折してはバランスをとりながら、作り上げていくしかない。

「“竹が生え”の精神で。」と、今でも時々母が言います。
竹は切っても切ってもまた次から次と新しい芽を出すそうで。
その強さ、たくましさ、、、すごいと思います。
参考までに…
“竹が生え”とは、萩原朔太郎の『竹』という詩のことです。




〜 公的な支え 〜
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私は障害者手帳を所持しています。
障害者手帳を受けたことは、就職活動を断念した私にとって、
大きな支えを得ることになりました。
福祉窓口では、初めてのことばかりで苦労したけれど、
様々な支援システムがあることを知りました。
障害者として生きる視野もひと回り広がりました。
何より、相談することの大事さを知ることになりました。

障害基礎年金、医療費の助成、交通機関や公的施設利用の割引、
税金や保険料の減免、福祉サービスの支援、生活用具や自助具の給付…
他にも、様々な公的支援が存在しています。
障害の程度によっては受けられないものもあるけれど、
何事もダメでもともとで相談してみるといいと思います。
医師に。福祉窓口に。近くの人に。。。

かなり後になって、障害者手帳を受けることに対して、
抵抗を持つ考え方が存在することを知りました。
さまざまな事情や偏見、体裁の良し悪しはあるかもしれません。
私は、必要な手続きを踏んで必要な支援を受けることもまた、
1つの自立の道 だと思っています。
だからこそ、大切に、有効に利用していきたい。

必要な支援を得ながら、人とともに生きていくこと。
それはこれからも私の自立を支える大きな力となりそうです。
臆せず前へ、前へ。今はそれが許される時代なのだから。


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