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●●● 東日本大震災 復興の歩み ●●●
〜 震災から1年半を迎えて 〜

東日本大震災から1年半を迎えました。
今もなお、応援してくださっている皆様、本当にありがとうございます。

震災から1年半を迎えた福島の近況(主に沿岸地域)をご報告させていただきます。
できるだけ公式な資料を基にお伝えしようと思いますが、
問題が広範囲に渡っているため、一部私の目と耳を頼りにした内容になっています。
悪しからずご了承いただき、参考までにご覧ください。

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<2012年9月10日現在の福島県の被害状況>
■ 被害状況 ■

人的被害
死者:     2,864人
(震災関連死が含まれています)
行方不明者:  5人
重傷者:     20人
軽傷者:    162人

住家被害
全壊:    20,836棟
半壊:    70,683棟
一部破損: 160,029棟
床上浸水:  1,054棟
床下浸水:   339棟

その他の建物被害
公共建物:  1,116棟
その他:   27,676棟


■ 避難状況 ■

避難指示、勧告及び自主避難
計 11,955人
(※県内外の仮設住宅、借り上げ住宅などに入居した人数は除外)
 【参考】
    ・県内応急仮設住宅等入居者数 100,157人(9月6日現在)
    ・県外への避難者数         60,878人(8月2日調べ)
                      計  161,035人



(福島県公開の「平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況速報(第715報)」参考*一部補足あり)


<「仮の町」の候補地*いわき市の震災関連情報>
■ 被害状況 ■

人的被害
死者: 430人
行方不明者: 0人
 【参考】
  直接死 293人、関連死 100人
  死亡認定を受けた行方不明者 37人

建物被害
全壊: 7,873棟
大規模半壊:  7,327棟
半壊: 25,069棟
一部損壊: 49,580棟


■ 避難状況 ■

市外に避難しているいわき市民: 7,730人
いわき市内への避難者数: 23,553人

応急仮設住宅数: 3,472戸(うちいわき市民対象:189戸)
賃貸住宅等: 2,941世帯(民間借上げ、雇用促進住宅、教員住宅)

なお、8月14日現在までに寄せられた義援金は、

被災者生活支援金額: 7億3,226万1,865円
市の災害復旧・復興金額:7億5,358万4,631円

総額14億8,584万6,496円とのことです。
皆様の温かいご支援、本当にありがとうございます。


(9月5日発表の「いわき市災害対策本部週報」より)

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震災から1年半。
福島県は放射能とのにらめっこを続けながら、
今日も復旧・復興に向けて前へ前へと突き進んでいます。


原発事故による警戒区域、避難指示区域等は見直しが始まっています。
「避難指示解除準備区域」、「居住制限区域」、「帰還困難区域」の3つに区分され、
避難指示解除準備区域では住民の帰還に向けた除染やインフラ整備が進められています。

まさに震災直後のゼロからのスタート。
最近では、除染が終わり、再開した学校に少しずつ子供たちが戻り始めているそうです。
希望と不安を葛藤させながらの帰還にはつらい現実もあり、涙も隠し切れません。
帰宅できればそれで丸く収まるということはないけれど、
故郷で頑張ると決めた子供たちを応援してあげたいと心から思わずにはいられません。


また、長期に渡っている避難生活にも動きが見え始めています。
内陸部の会津地方などに避難していた人たちが、
この半年の間に太平洋沿岸部のいわき市に集まりつつあります。
その数、現在2万3千人超…会津地方の仮設住宅をいわき市に移設するなどしながら、
市内各地の仮設住宅や公営住宅、借り上げ住宅などに暮らしています。

仮設住宅の数と人口・車の数がとにかくすごいです。
今までは少し待てば横切ることができた田舎の道路が、
今では目測では測れないほどの大渋滞。
人口が増えているのを実感します。


長期に渡り帰還できない見通しの各町村は、
避難先で町ごとに「仮の町」を作る構想に向けて舵を切っています。
その受け入れ先の候補にあがっているいわき市は、
今、受け入れ態勢を整えるべく、各町村との詰めの話し合いを続けています。
町ごとに1つにまとまり、独自の再建(学校や病院等もいわき市から独立)を目指す各町村側と、
広大な土地の確保の難しさや行政サービスのあり方も含め、
いわき市民との共生を提案したいわき市との調整が成れば、
災害復興住宅の建築や一定の定住が進みそうなところまできています。

ただ、やはり同じ福島県民同士でも地域事情によって壁があります。
おおむね合意の方向に向かっていますが、
各方面で小さなひずみやわだかまりは少なからず感じます。
難しい問題ですが、向き合っていかなければならない問題です。


福島県の農業は、以前より大きく変化しています。
土や木などの除染を進め、特産の果物や米の全袋検査のために測定機器を導入。
より安全性を高める努力が日々続けられています。
アンテナショップでの販売や農作物PRのキャラバン隊が全国を回るなど、
県や市をあげた独自の安全性のアピールも続けられています。
大手スーパーさんの自社検査の努力の甲斐もあって、
福島県産に一定の理解を示してくださる人も増えています。。。ありがたいことです。

水産業も光が見えてきました。
福島県沖でとれた一部の魚介類(タコやツブ貝)は長期に渡る検査で安全が確認され、
地元市場での販売を経て、関東の市場にも並ぶようになりました。
これがけっこうよく売れて、ほとんどが売り切れたそうです。
少ないながら北海道の海で漁をし、岩手の港などに水揚げする漁を続けています。
(最近も北海道産の生サンマのゆうパックが地元から発送されたとのこと!)
まだ苦しいことには変わりないけれど、地道な努力で前に進んでいます。
それでも、地元はまだ近海の漁を行うことはできません。
がれき漁(震災がれきを底引き網で拾い集める作業)が続けられているそうです。


ちょっと悲しいのは、本来観光客を乗せるはずの観光バスが、
市街地のホテルや観光地の旅館に住み込んで働く原発作業員の送迎バスになっている現実。
本当に残念でなりません。
観光の町は原発問題のあおりを受けながらも、
独自の観光ツアーの企画やクーポン券の発行など、観光客を呼び込む努力を重ねています。

今も原発周辺の地域には震災直後のままの場所が存在し、
がれきは中間貯蔵施設の問題で手つかずのまま。
1年半を経過してなお、道路のゆがみやコンクリートの崩れた痕を目にします。
沿岸地域も土台を残した更地に雑草が生い茂るばかりです。

けれど、そんな状況にも負けず、人ががれきに絵を描き、片づけや補修を続け、
毎週のように町を元気にしようとイベントが行われています。
今年は1ヶ所海開きができましたし、フラガールズ甲子園は大いに盛り上がりました。
相馬野馬追などの伝統の祭りも、県内各地で通常開催に。
ボランティアやイベント活動で街に元気と笑顔を取り戻そうと、
自分たちでできることを続けています。


厳しいけれど、福島は今日も元気です。けっしてあきらめてません。
ゆっくりだけど、たくさんの人たちの支えとつながりで確実に前に進んでいます。

どうか、そんな福島をこれからも見守ってやってください。
私も、私の目や耳で聞いた狭い世界ではあるかもしれませんが、
応援してくださる皆様に感謝をこめて、折に触れて福島の今を発信していけたらと思います。
今後ともよろしくお願いします。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

震災から1年半を迎えて 〜写真で振り返るこの半年〜

〜2012年9月11日〜

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